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【対談】

公益財団法人21世紀職業財団~これからずっと女性が生き生き働き続けるために~

【2020.04.10】

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――50代の男性上司の意識改革も必要。「ママだからできない」ではなく、やれる方法を考えて


稲田:いくら女性側がやる気になっても、特に50代以上の男性の意識を変えるのはなかなか難しいですよね…。


山谷さん:でも変わってもらわないといけない。昔の管理職とは役割が違う。「黙って俺についてこい」じゃない。社会がそういう考えになっていることを、上の世代の管理職にしつこく言い続けることが大事だと思っています。私たちもそういう提案をしていて、それで考えが変わる上司もいます。そうやって少しずつ増やしていく。地道にやっていくしかないです。女性の話で言うと、まずは女性の成長意欲を認識してもらわないといけませんね。


稲田:そうですよね。ワーママとひと言で言っても、人によって考え方にグラデーションがある。今は、時間の制約がある時点で、家庭優先と思われがち。18時で帰宅することと成長意欲は別ですよね。


山谷さん:制約があるから今までと同じ仕事はできないと思っている上司は本当に多い。時間的制約の中で、やれる方法を考えるのがマネジャーの役割だと思うんですけどね。


稲田:管理職に求められるのは質問力だと思うんです。今まではいかに自分の考えていることを下に伝えるか、というトップダウンが主流でしたが、メンバーの話をよく聞いて本音を聞き出すのが大事。


山谷さん:男性も女性も、それぞれ家庭状況も違うので、個別で見ていかないといけない。管理職には「この人なら、本音を話したい」と思われるようなコミュニケーションを取ってほしいです。


――何のために、はたらいているのか


稲田:子どもの有無で、仕事の意欲に差が出るという話もありますが、なぜだと思われますか。


山谷さん:子どもがいる人のほうが、「子どもを預けてまで、なんで仕事を続けているの?」と聞かれたり、続けない選択肢もあるから、仕事をやる意味を考える機会が多くなりますよね。何のためにはたらいているのか、いつも突きつけられているのでしょう。


稲田:そうですね。自分の芯がないと続けていくのは大変です。なんではたらくのか。家計を支えるため。好きなことだから。社会の役に立ちたいから。子どもに見せたい姿。自分にとって、はたらくことへの確固たる軸がないと、続けることを迷いますよね。


山谷さん:出産を経た女性は特に、子どもが大きくなったときの社会に、何をどう残していくか、を強く考えるのでしょうね。ここにも男女の違いがあって、男性は、「家族を養わなければならない」という意識が強い。でも夫婦で稼いでいれば、男性の意識も変わるはず。もしキャリアを変えたいとき、はたらいているのが1人だったら、仕事を休んで勉強なんてしている場合じゃない、となります。お互いが経済的に自立できるぐらいはたらいていたら、そういう道を選ぶこともできる


稲田:結婚はしなくてもいいという考えが広がる昨今、結婚のメリットの1つは経済的な安定だと思っています。人生100年ライフの中、転職も当たり前。キャリアチェンジやキャリアアップも夫婦でタイミングをずらせば、選択の広がりが持てる。どっちかが犠牲になるという考えではないですね。


山谷さん:女性の経済的な自立が、夫の可能性も広げるということを夫婦で話してほしい。今の50代の多くはそういう話し合いはできていなかったと思います。


稲田:共働きが増えていて、家事・育児の分担に目がいきがちだけど、お互いにチャレンジしたいときに支え合うために、はたらくことの意味づけをしてほしいですね。それがないと、目的なく、手段だけを話している感じです。


――経営戦略として、はたらき方改革に取り組んで


稲田:男性が稼いで、女性が家を守るという昔からの考えは依然としてあって、共働きでも女性が仕事をセーブしたほうがいいという人もいます。


山谷さん:男性育休の話でも、出世に響くから夫は取得しなくていい、という女性もいますね。そこに対しては、「育休が出世に響くことはない」という会社のメッセージ発信が大事だと思います。子どもの有無や介護などにかかわらず、多様性を認めなければ企業の成長はない。経営戦略として働き方改革をとらえないといけないですよね。


稲田:たとえば、全社的に残業なしやフレックス制度、リモートワークなどを導入していれば、制約のある人たちもフルタイムで問題なくはたらけるんですよね。そうすると、自然といい人材が集まってくる。まさに、経営戦略なんですよね。


山谷さん:そういう視点で取り組んでいる会社は経営もやっぱりうまくいってる。国からの指示で、言われたから仕方なく、というところはうまくいかない。この先、大丈夫かなと思ってしまいますね。企業には、女性がはたらきやすい環境になるようにしてもらいたいのはもちろんですが、企業自体の成長につながることだと思って、はたらき方改革に取り組んでもらいたいですね。


稲田:女性個人の意識の話から、経営目線でのはたらき方改革まで、幅広くお聞かせいただきました。30~40代のワーママのみなさんは、目の前の仕事と育児でいっぱいなところもあると思いますが、先輩たちの経験を参考に、中長期的な視点でご自分のキャリアを考えてもらえたらと思います。山谷さん、本日はありがとうございました。


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