家族は人生最大の“スパイス”。 「でこぼこ夫婦」だからこそ、お互いおぎない助け合える、チームという家族の形

共働きをしていると、夫婦の日々の会話は「業務連絡」だけになりがちではないでしょうか。ご夫婦で、仕事やキャリアへの思いを理解し合えているかどうかが、共働きがうまくいくカギだと考えます。時折、2人で歩んだこれまでを振り返り、そしてそれぞれのこれからやっていきたいことを話して、お互いの仕事やキャリアへの思いを再確認してみてはいかがでしょうか。また、よそのご夫婦のエピソードには、共働きをするうえで参考になる考え方やヒントがたくさんあります。
藤田さんご夫妻は、ご主人の岳志(たかし)さんも長期の育休を取得し、妻の由佳さんと一緒に家事も育児も二人三脚で取り組んでいます。歌やダンスが得意で明るくアクティブな由佳さんと、自他ともに認める主夫として堅実に家のこと全般をこなす岳志さん。正反対にも見えるタイプでありながら、お互いをリスペクトし合うお2人にお話を伺いました。
Profile
(夫)岳志(たかし)さん(39歳)
仕事内容:大阪大学/大学職員、趣味:お菓子づくり、バドミントン
(妻)由佳さん(35歳)
仕事内容:ダイキン工業株式会社/営業企画、趣味:リトミック、フラメンコ
由佳さんのInstagram:@malefiii
育休パパのInstagram:@fjt_family
お子さま:2歳女の子、0歳3カ月女の子
エンターテイナーな妻と、愚直で堅実な夫
――ご結婚までの経緯を教えてください
岳志さん:婚活アプリで出会ってすぐにつき合い、1年後に結婚しました。第一印象は「考え方が前向きですごくしっかりしている人」。自分が求めているのはこういう人なんだろうなと、直感で思いました。何事も物怖じせずにトライする姿勢など、人として尊敬できると思ったので、すぐに結婚を意識し始めました。
由佳さん:結婚しても仕事を続けたいと思っていましたが、婚活で出会う人の中には、専業主婦になってほしいという人や女性が意見を言うことを快く思わない人もいました。そんな中で出会った夫の第一印象は「私を尊重してくれる人」。この人となら対等に家庭を築いていけそうだと思えました。
――パートナーの尊敬しているところや感謝していることは?
岳志さん:何でも面白くしてくれるところ、ですね。彼女はまさにエンターテイナーです。以前「1人で住んでいるのではなく家族がいるんだから、仕事から帰ってきてそんな疲れた顔ばかりするな」と怒られたことがあって(笑)。由佳は、どんなにしんどくてもいつも明るいんですよね。そんな姿を見て、僕も仕事で全部の力を使い果たすんじゃなくて、家に帰ってもうひとがんばりして家を明るくしないといけないな、と思いましたね。
由佳さん:尊敬しているのは、良くも悪くも、すごく誠実なところ。彼は頑固でもあるので、きっと嫌だと思うこともあるはずだけど、私に怒られたことを反省して愚直に直そうとしてくれたり、何でも素直に自分事としてとらえてくれたりしています。それから、家事も育児も、全部こなしてくれるところは本当に感謝しています。
岳志さん:得意分野が真逆で、でこぼこ夫婦なんです。全部、正反対。妻は歌やダンスが得意で、芸術的なことはできない僕からすると、そんなこともできるんだ!と素直に尊敬できる。一方で、家計管理や家事など堅実な仕事は僕の方が得意かなと思っています。
――お2人にとって、働くこと、仕事とは?
由佳さん:私にとって仕事は、好きなこと、やりたいことのための軍資金稼ぎ。家族が豊かに過ごすために働いている感じです。今の会社に勤めていてよかったと思うのは、扱うお金の大きさや、お客さんや社員も含めて出会える人も全国各地、幅広いこと。個人ではなし得ない規模の仕事ができる楽しさも感じていますね。
岳志さん:お金のためというよりは、仕事を通して社会貢献できているという感覚を大事にしています。勤めている大阪大学は出身校で、もともとは母校に恩返しがしたくて就職しましたが、今は、教育機関として次世代の育成に携われている貢献感があります。一方で、仕事は社会人としての修業の場だと思うんですね。人としてまだまだ成長できる余地があると思っているので、社会の一員としてまだまだ学んでいきたいです。
――お子さんが生まれてから、仕事に対する気持ちの変化はありましたか?
由佳さん:夫婦ともにあまり変化はありませんでした。2人ともフルタイムで復職し、働き方の面でも育休前と大きな変化はなかったと思います。ただ、時間は有限だということは以前より強く思うようになりましたね。メリハリをつけて効率よく働かないと、家族で過ごす時間が減ってしまうと感じています。
岳志さん:そうですね。時間に対する感覚は、子どもが生まれる前よりもシビアになりましたね。
――お互いのはたらく姿に対して思うことはありますか?
由佳さん:公立の大学というと、まだまだ古い組織体質が残っている部分も大きいのかなと思うのですが、そういう中で、たとえばペーパーレスやシステム化など、自分がこうしたほうがいいと思うことを、外部も巻き込みながら積極的に動いているのがすごいと思います。
岳志さん:妻の職場の人と会うことが多いのですが、みんな良い人ばかり。人を育てようとしている会社の風土を感じますね。新入社員合宿のリーダー役として、率先して若手の面倒を見る姿には特に感心しています。自分の業務と直接は関係のないところで、そこまで人のために動けるというのは、正直うらやましいですね。
コミュニケーションが夫婦のボタンのかけ違いを防ぐカギ
――お2人にとって夫婦・家族とは?
由佳さん:運命共同体、チームです。昔は夫のできていないことが目につきがちでしたが、今はお互いの得意・不得意も分かり、できていないなら私ができるときにやればいいやと思えるようになってきました。逆に、私ができない時に夫に助けてもらうことも多いです。補い合える相手がいる、家族ってすばらしいですよね。子どもにも、もう少し大きくなったら戦力になってもらって、みんなで家庭をつくっていきたいです。
岳志さん:妻や家族は、僕の人生の中における最大の“スパイス”です。家族がいなければ、きっと孤独で、こんなに鮮やかな人生は送っていなかったと思います。妻と子どもたちがいるから、自分では想像がつかないことが毎日起こる。そんなスパイスがあるからこそ、自分も成長できると思っています。
――共働き夫婦が仲良くやっていく秘訣を教えてください
由佳さん:1にも100にもコミュニケーションですね。どれだけ言葉にして伝え合えるかに尽きると思っています。ネガティブなことだけではなく、「ありがとう」とか、「すごい!」とか、相手がやってくれたことへの感謝やプラスのことも、全部口に出す。疲れていると抜けがちですが、それがなくなるとお互いをリスペクトできなくなってくるので、しんどい時こそ口に出して伝えることを意識しています。
岳志さん:僕たちはでこぼこ夫婦だから、お互いのできていないところは気にならない。そこは自分がやればいいと思っています。お互いのことをどれだけリスペクトできているかは1番大事だと感じますね。
それから、思っていることを我慢したりため込んだりすると、それが膨らんでいずれ大きな溝になってしまうと思うんです。妻は小さなことでも思ったらすぐその場で言って解決してくれるので、助かっています。きっとそう思ってるだろうという想定だけで進んでしまうと、それが違ったときに、ボタンのかけ違いが起きる。お互いが思っていることをちゃんと伝えて、ひとつひとつ分かり合いながら進んでいけば、溝はできずにうまくいくと思います。
由佳さん:実は、結婚当初は口も利かない冷戦期があり、夫婦カウンセラーに話を聞いてもらったこともありました。子どもが生まれるまでにめちゃくちゃけんかをして、そのたびにたくさん話し合ってきたから、今があります。とことんぶつかって、お互いの違いを認識できましたね。
――最後に、パートナーへひと言
岳志さん:いつまでも元気で伸び伸びと、家族に楽しい時間のきっかけをください。
由佳さん:日々、家のことをやってくれてありがとう。あまり我慢をし過ぎず、私が調子に乗っているときは指摘してください(笑)。
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