ワーママ転職失敗談 セキララ座談会

「いつかは転職したいとは思うけど、子どももいるし、失敗するわけにはいかない…」。こんなふうに思って、なかなか1歩を踏み出せずにいるママも多いのではないでしょうか。今回は、小さなお子さんがいながら転職したものの、「失敗した!」と感じているワーママ2人と座談会を実施。転職を決意したきっかけから転職先の選び方、そしてなぜ転職に失敗したと感じているのかなど赤裸々に語っていただきました。ワーママならではの「失敗しない転職のコツ」を教えてもらいます。
・Kさん(28歳)
転職前の仕事:人材業界、法人営業
転職後の仕事:飲食業界、法人営業
1歳7カ月男の子のママ
・Sさん(35歳)
転職前の仕事:医療業界、営業・教育/研修
転職後の仕事:教育業界、アシスタント
6歳、4歳男の子のママ
転職を後押ししたのは、やりたいという気持ち
ママリブラ事務局カネコ(以下、カネコ):まずはこれまでの経歴を簡単に教えてください。
Kさん:私は大学卒業後、保険会社で個人向け営業をしていました。その会社で産休・育休を取りましたが、思うところがあり復帰後すぐにベンチャー企業へ転職。子どもはこの時1歳でしたね。でもそこから半年経たないうちにまたまた転職をしまして、今は飲食業界で法人営業をしています。
Sさん:私は新卒で製薬会社に入社し、4年間営業をしていました。1回目の産休・育休後は教育部門へ異動になったんですが、2回目は営業支援をする部署へ。2回目の復帰から半年で転職を決めて、今の会社に入り2年ほど営業兼アシスタントをやっています。転職をした時は子どもたちが5歳と1歳半でした。
カネコ:お2人とも産休・育休が明けてから割とすぐに転職されたんですね。転職された理由やきっかけを教えていただけますか。
Kさん:1回目の転職理由は、「今だからできることをしたい」と思ったから。最初の会社は、「子どもがいるんだから仕事の量も幅もセーブするのが当たり前」っていう雰囲気で…。私も妊娠するまではそう思っていたんですが、育休中にさまざまな働き方や仕事観を持つママたちと話す機会があって、「子どもがいるからって別にセーブしなくてもいいんだ」と感じたんですよね。そこであらためて自分のキャリアを見直したんです。
カネコ:キャリアを見直してみてどうでした?
Kさん:ママという自分の立場を存分に活かして社会貢献をしたいなって思いました。「子どもがいるからしょうがない」ではなく、「子どもが生まれたからこそできることがあるんじゃないかな」って。でも当時の会社は、さっき話したように、「ママは仕事をセーブして~」っていう雰囲気だったので、この思いを実現することが難しかった。そこからは早かったですね。「今できることは今しなきゃ!」っていう気持ちだけで一気に転職活動を進めました。
Sさん:自分のやりたいことに気づくのって大事ですよね。私も教育分野に携わりたくて転職を決めました。1人目の復帰後は教育関連の部署でやりたい仕事ができていたんですが、2人目の復帰後は営業支援をする部門に配属されたんです。私は教育分野の資格を持っているんですが、部署の中で持っているのは私だけ。それなのに、その資格が活かせない部署に異動になってしまって、がっかりしましたね。
カネコ:それは納得いかないですね。上司にはご自分の気持ちはお話されたんですか?
Sさん:復帰前に意向は伝えたんですけどね…。大企業で柔軟性に欠ける会社だったので、復帰後に交渉する余地はなかったです。仕方なく半年ほど営業支援をやっていましたが、「やっぱり資格を活かして、教育分野の仕事がやりたい!」という気持ちが強くなって。そんな時に教育業界の知り合いから声をかけてもらい、転職を決めました。
転職先を決めた理由
カネコ:転職先を選ぶ時は、どんなところを重視していましたか?
Sさん:私の場合は興味のある業界からのオファーだったので、「教育に携わりたい」という希望はすでにクリアされていました。ほかにも、フレキシブルな勤務体系は絶対条件にしていましたね。逆に、給与に関しては下がることを覚悟していました。
カネコ:給与が下がるのも覚悟のうえで、ご自分のやりたいことを貫かれたんですね。
Sさん:そうですね。あとは、もともとかかわりのあった会社なので、中で働く人たちのこともよく知っていて。みなさん良い方ばかりで安心感もありました。何より社長自ら声をかけていただいたので、必要とされている感じがうれしかったです。
カネコ:前の職場で不本意な人員配置をされたから、なおさら心に響いたんですね。Kさんはいかがですか?
Kさん:いくつか条件は決めていましたが、その中でも特に「社会貢献できるか」と「子どもがいてもキャリアアップできるか」を重視しました。転職活動中はどこの会社に対しても「子どもたちの未来を明るくしたい」という思いを熱く語っていたんです。ほとんどの会社は反応が薄かったんですが、1社だけ社長が共感してくださって。
カネコ:それはうれしいですね!!
Kさん:そうなんです!その会社は小さいお子さんを持つママも多く、男女関係なくキャリアアップのチャンスがあるように感じたので、迷わず転職先として選びました。
こんなはずじゃなかった!私の転職失敗談とは…
カネコ:では、ここからが本題です。ずばり、転職が失敗だと感じている理由は?
Kさん:入社して数カ月経ったところで、働き方やキャリアプランについて、会社と認識のズレがあることに気づいたんですよね。具体的には、”バリバリ働く”という言葉の捉え方が違った。
カネコ:確かに、「バリバリ」というワードはよく使いますが、抽象的ですもんね。
Kさん:そうなんですよ。私は、仕事の時間はチャレンジしながらバリバリ働きたいけど、終業後や休日は子どもとゆっくり向き合いたいという意味で使っていました。でも会社は違った。子どもがいても時間や休日関係なく働けるんだと思っていたようです。だから子どもの熱や行事で休んだら、その分は深夜でも休日でもお構いなしに仕事が振られてきました。
カネコ:それは完全に会社とミスマッチが起きてしまっていますね…。
Kさん:ほかにも、業務のキャッチアップのスピードについても乖離がありました。私は1年くらいかけてじっくり吸収していこうと思っていたのですが、会社は3カ月スパンでどんどん吸収してほしいと考えていたようなんです。ただでさえ初めての仕事と育児の両立で余裕がない中で、これらの食い違いは私にとってとても大きな負担になってしまったんです…。
カネコ:そして半年後に2回目の転職を決意したということですね。Sさんはどのような点が失敗だと感じていますか?
Sさん:失敗というか、想像以上にブラック&ベンチャーだなと思い知らされている状況です(笑)。当初コンサル業務をメーンでやらせてもらう予定だったんですが、途中でアシスタントの方が辞めてしまい、なぜか私がその業務を引き継ぐことになって…。今では雑務がメーン。ベンチャーなので多岐にわたる業務をやらざるを得ないことは分かっているんですが、なんかモヤモヤしちゃって。
カネコ:せっかくやりたいことがやれる環境に来たのに、モチベーション下がっちゃいますね。
Sさん:そうなんです。あと、私以外はみんな独身か成人したお子さんがいる方なので時間が無尽蔵。定時が深夜0時だと思ってるんじゃないかっていうくらい(笑)。ミーティングの時間も19時以降に設定されることが多く、業務の関係上どうしても参加しなくちゃいけないんですよ。小さい子どもを持つママとしては正直きついですね。
カネコ:そんな状況でも2年続けている。辞めない理由はなんですか?
Sさん:私がやりたいことをできる場所って、日本の中でここだけだと思っています。アシスタントを新しく雇ってくれさえすれば、私はコンサル業務に集中できる。今はこの気持ちがアンカーになっているので、辞めるというところまではいってないですね。ただ、状況があまりにも変わらないようなら転職も考えます。
これから転職しようとしているママへ
カネコ:最後に、これから転職しようとしているママたちへ”失敗しないための”メッセージをいただけますか。
Sさん:社内で働いている人たちの”時間観”は、事前に確認しておいたほうがいいと思いますね。やはり小さな子どもがいると、独身や大きなお子さんがいる方と違って仕事にかけられる時間は限られるので。いくらワーママに理解があると言っていても、結局そういう人たちと一緒に仕事をしている以上、合わさざるを得ないんですよね。
Kさん:私は面接の段階で、”自分のできることとできないことをしっかり伝えておくこと”が大事だと思ってます。どうしても転職活動中は「柔軟に対応できます!」って言いたくなるんですが、結果的に自分の首を絞めることになるし、会社にも迷惑をかけてしまう。それなら最初から正直に伝えてお互いのミスマッチを少なくしておくことで、後悔は減ると思いますね。
Sさん:あとは、”60歳以降も収入を得られるスキルが身につくか”という視点も持っておいたほうがいいと思うんです。たとえ転職して給与が下がったとしても、定年を迎える60歳以降もしっかりと収入が得られるスキルや経験が身についていれば、トータルでみてこちらのほうが稼いだことになる。
カネコ:とっても同感です。”今だけ”に注視し過ぎず、長い目でキャリアを考えることが大切ですね。
Kさん:自分がこれからどうしていきたいか、どうなりたいかを考えて、今の環境では実現が難しいならすぐ動けばいい。いろいろ考え過ぎて行動せず、モヤモヤしたまま50歳とかになってからじゃ遅かったりする。私は1回目の転職を失敗だとは思っていますが、後悔はしていません。チャレンジしての失敗だから学ぶことも多くて、次につながるヒントが得られたと前向きに捉えています。
<ライティング:大道有紀>
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