「自分の仕事、やりたいことは自分でつくらない限り世の中には生まれない」。上司の言葉と、はたらく姿に自ら仕事を切り開いていく姿勢を学んだ

『Challenger』〜私の背中を押したひと言〜
ママでありながら、自分のやりたいこと・チャレンジのために1歩を踏み出した女性たちのストーリーを紹介します。チャレンジ決断の裏には、背中を押された「ひと言」がありました。「ママなんだから、自分のやりたいことはあきらめなきゃ…」とモヤモヤを抱えるアナタの背中を押すヒントが隠されているかもしれません。
VOL.19
「自分の仕事、やりたいことは自分でつくらない限り世の中には生まれない」。
上司の言葉と、はたらく姿に自ら仕事を切り開いていく姿勢を学んだ
小宇根佳奈(こうね・かな)さん(40歳)
クックパッド株式会社 おりょうりえほん事業部部長
お子さま:9歳女の子
オリジナルの食育絵本が毎月1冊届くサービス「おりょうりえほん by cookpad」
※2020年、優れた子育て支援サービスに贈られる、日本子育て支援大賞とキッズデザイン賞を受賞
★これまでのチャレンジ
小さな子どもを抱えて、チャレンジングな環境への転職
大学・大学院で建築設計・意匠デザインなどを勉強した後、設計会社にインテリアデザイナーとして就職し、ホテルや大型施設の内装、家具デザインなどを担当していました。仕事は激務で、社内の半数は女性であるにもかかわらずワーキングママはゼロ。女性としてのキャリアプランを実現する環境ではないと感じるとともに、優秀な人も多い中で自分の才能にも限界を感じ、はたらき始めて3年ほど経ったころ、将来を見すえてキャリアチェンジすることにしました。
国内大手食品メーカーに転職し、マーケターとして商品開発・市場調査・ブランディングなどを経験。転職後すぐに結婚し、その3年後に育休を取得しました。復帰後、ホールディングスのマーケティング部門に出向。その当時の上司に大きな影響を受けて、また新しい環境に挑戦してみようと、声をかけていただいた外資系の化学・電気素材メーカーに転職しました。当時子どもは3歳。ママを守る制度が充実した恵まれた環境から、実力主義で性別やママであることなど関係ない業界に転職という1歩を踏み出しました。
クックパッドへの転職、「おりょうりえほん」の立ち上げ
不安を感じながらの転職ではありましたが、入ってしまえばそこに慣れざるを得ず、意外と適応できたんです。でも食品メーカー時代にかかわった食や健康という領域がやっぱり好きということ、また、子どもが生まれて食事のことをより意識するようになったことで、食や料理で社会課題を解決できる仕事にもう1度チャレンジしようと思うようになり、クックパッドに転職。そして2019年、新規事業として「おりょうりえほん」を立ち上げました。小さな子どもを抱えた状況でチャレンジングな転職をした経験があったからこそ、次のステージにいこうと身軽に選択でき迷いなくスタートできましたね。
★1歩を踏み出す前の悩み
食育をしてあげたいけれど時間がないという葛藤から生まれた絵本という形
立ち上げはすべて1人で取り組んだ
食事の準備をしていると子どもが「料理をやらせて」とやって来るけれど、限られた時間で夕食の準備をしなければならないので子どもにはテレビを見せて、私1人で料理をしていました。でもどこかで「食材に触れさせたり、料理をさせてあげたりしたら、もっと娘の好奇心を育ててあげられるのではないか」と罪悪感があって。とはいえ料理をしているときにゆっくり教えてあげられる時間もないという葛藤の中、こんな思いをしているのは私だけなのだろうか、もし同じ思いで悩んでいる人がいるなら、それを解決できるものがあれば喜んでもらえるのではないかと考えるようになりました。
そして100組以上の親子にヒアリング。食育をやりたい気持ちはあっても、子育てで忙しい毎日にプラスオンで新たなものを取り入れるのは難しそうだということが分かってきました。そこで、日々の習慣となっている絵本の読み聞かせを食育に置き換えられたらいいのではないかと考え「おりょうりえほん」をスタート。人数の限られた会社なのですべて1人でやるというのが最初のフェーズで、調査、インタビュー、コンセプト、サンプル作り、絵本業者探しにテストマーケティングの協力先探しまで1人でやり切りました。
★1歩を踏み出すきっかけをくれた「ひと言」
「自分の仕事、やりたいことは自分でつくらない限り世の中には生まれない」
食品メーカーではたらいていた当時、女性の上司に言われた言葉です。気づきや励みとなり、今でも影響を受けています。その方自身も自分でガンガン仕事をつくっていて、「仕事ってこうやって生み出すものなんだ」と、その姿を見て学びました。それまでは上から降ってくる仕事や目の前のことをこなす、引かれた道筋の上をいかに効率よく走るかという仕事の仕方で、自分で道をつくる意識や自分から仕事を生み出すという発想はありませんでした。「おりょうりえほん」を立ち上げたときもこの言葉に背中を押され、自分のやりたい仕事をつくろうと思えました。
★踏み出してみて思うこと
満足のいく仕事は自分でつくらないとたどり着けないと実感
「おりょうりえほん」を立ち上げてから1年半でメンバーは5人になりました。ユーザー調査は9割近い満足度で、みなさんに愛されるサービスになっていると実感しています。子どもに対して食育ができていない罪悪感を抱えている人から「気持ちがラクになった」という声もたくさんいただきましたし、「絵本がきっかけで子どもが食べられない野菜を食べられるようになった」「少食な子も食に興味を持って普段より食べるようになった」「パパが料理するようになった」といった声もあり、当初考えていた課題を解決するだけでなく、子どもの好き嫌いやパパの育児参加など家庭内のことまで解決できていることはとてもうれしいです。
自分が感じていた課題を解決したいという思いから始まり、「私が解決したいなら、自分でつくる」という意識で始めましたが、あのときの上司のひと言がなかったらここまで強い気持ちにはならなかったと思いますしすごく背中を押されています。自分がやりたいことを実現すること、満足のいく仕事は自分でつくらないとたどり着けないということを実感しています。
★これから1歩踏み出そうとしているママたちへ
不安や自信のなさ、自分にはできないだろうといった気持ちは取り除いて、やりたいことに挑戦してほしい
環境を変えるのは怖いという不安があったり、自分に自信がなかったり。子どもがいると毎日大変で疲弊しがちになり、1歩踏み出すことを大変と思うママも多いかもしれません。でも、実際に1歩を踏み出してみると意外と大変ではないと思っていて。私自身ママになってから2回転職し、どちらも大きなチャレンジでしたが、やってみればなんとかなるものです。もし戸惑う理由が不安や自信のなさ、自分にはできないだろうといった気持ちだったら、そういった感情は取り除いて「意外となんとかなる」と怖がらずに、違う環境ややりたいことに挑戦してほしいと思います。
★これからの目標
私にもできるかも、と思ってもらえるようなワーキングママでありたい
「おりょうりえほん」は長く使っていただけるサービスなので、より多くの人に届けて、より多くの家庭内の課題を解決していきたいというのが直近の目標です。中長期的な目標としては、公園、買い物や水族館といった休日の親子の選択肢として、親子で料理をすることが当たり前に出てくる社会をつくること。またクックパッドはグローバル展開しているので、日本の食育スタイルを海外に届けていけたらいいなとも考えています。
若いころに参加した女性活躍セミナーに登壇していたワーキングママのイメージは「バリキャリの女性」で、「私にはできない」と思っていました。次の世代のためにも、楽しそうに両立をして、「これなら私もできるかも」と思ってもらえるようなワーキングママでありたいと思っています。
「ママなんだから、自分のやりたいことはあきらめなきゃいけないのかな…」
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