教えて!ワーママ転職 ワーキングママ転職支援のプロが語る 転職成功のコツと最新情報

「そもそも、ワーママって転職できるの?」「やっぱり年収は下がる?」「やりたいこともあるけど、勤務場所や時間など譲れない条件もあって、どうやって転職先を選べばいいのか…」「ワーママ転職ならではの成功のコツや活動の進め方が知りたい」「転職したい気持ちはあるけど、子どもは小さいし、動くべきじゃないような気がする。転職のタイミングを教えてほしい」―。こんなワーママのモヤモヤを解消すべく、ママリブラ事業責任者の鈴木伸太朗がお答えします。
- ワーママも転職可能な時代に
- 仕事への意欲と、経験・スキルをしっかりアピール
- ワーママに限らず今は転職市場全体が「買い手」
- 経験とスキルを持った即戦力人材を採用する企業は増加
【3】転職したいと思っているけど、何から始めればいいのか分からない…
- 「転職」と「転職活動」はまったく別物
- 「転職」は慎重に、「転職活動」は積極的に
- 応募時、希望の就業時間の伝え方に要注意
- 面接では職場のビジネスタイムの確認を
【5】やりたいことはあるが、譲れない条件も。どうやって転職先を選べばいい?
- やりたいことを実現する手段は転職だけではない
- やりたいことについて「なぜやりたいと思っているのか」をよく考えて
【6】育休中に転職したいけど…。転職のベストタイミングっていつ?
- 育休明けの転職はおすすめできない
- 仕事と育児の両立に慣れてから本格始動を
【1】そもそも、ママって転職できるの?
できます!最近は、柔軟なはたらき方を制度として取り入れることで多種多様な優秀な人材を確保しようとする会社も増えています
私は2007年から転職支援の仕事をしていますが、07年当時は「第2新卒歓迎」という求人がほとんどで、20代でないと転職できないと言われていました。ほんの数年前までも「転職35歳限界説」などと言われていましたが、ここ数年で年齢のすそ野は大きく広がり、40代で転職する方も多くいらっしゃいます。
また、以前は転職後すぐに時短勤務ができる求人は数えるほどしかありませんでしたが、今は入社後すぐに時短勤務やリモートワークができる企業も増えています。かつて時短勤務というはたらき方は、その企業に長く勤めた女性のための福利厚生、新卒から長くはたらいてきた社員だけが選択できるオプションのような位置づけでした。最近は即戦力となる優秀人材を確保するため、時短やリモートワークなど、はたらき方の柔軟性の高さを採用戦略や採用ブランディングとして積極的に取り入れる企業が増えています。特に2020年はコロナウイルスの感染拡大に伴ってリモートワークの導入が一気に加速し、場所や時間にとらわれないはたらき方が手に入る求人も増えました。
以前は「ワーキングママ」というと、時間的な制約があり、仕事よりも家庭を重視する「ぶら下がり社員」のようなイメージを持つ人事担当者もいたのですが、最近は「転職を希望するワーママの中に、意欲もスキルも高い人材がいる」と気づき始めた企業も。「育児中だから転職は無理」と決めつけずに、仕事への意欲と、経験・スキルをしっかりアピールして、やりがいのある仕事を手に入れましょう。
【2】ワーママの転職市場は今、売り手?買い手?
ワーママに限らず今は転職市場全体が「買い手」。未経験者採用が大きく減少する一方で経験者採用は活況
転職希望者が増える一方で求人数は減っている、いわゆる「買い手」市場です。これはコロナの影響というよりも、ここ数年続いている「人材の数より質を重視する」採用動向に起因しています。それがコロナの影響を受けて加速し、結果的に「求人減=質重視」が進んだ印象。そのため、現在は即戦力として活躍できる経験者採用の求人が増え、「未経験OK」の求人はかなり少なくなっています。
以前はITエンジニアや法人営業などの職種で未経験者を歓迎する求人も多かったのですが、育成する余裕のある企業は減り、経験とスキルを持った即戦力人材を採用する企業が増えています。ワーママの転職市場についても同じで、これまでの経験スキルを持ってアピールすれば十分に転職可能な情勢と言えるでしょう。
【3】転職したいと思っているけど、何から始めればいいのか分からない…
「転職」と「転職活動」はまったく別物。転職は慎重に、転職活動は積極的に!
まず念頭においていただきたいのは「転職」と「転職活動」はまったく別物だということです。「転職」とは、その名の通り職を変えること。「転職活動」というのは、選択肢を増やすための活動のこと。自己分析を重ねて職務経歴書を作る、転職をテーマにしたセミナーなどで情報収集する、求人に応募をして面接を受けるなど、転職に関して視野を広げ、選択肢を増やしていくこと全般を指します。
普段のキャリアカウンセリングでは、「今後のはたらき方や生活が大きく変わる『転職』は慎重に決断したほうがいいですが、『転職活動』は積極的にしてみてください」とお伝えしています。
「結婚」と「婚活」に近いかもしれません。いざ結婚となったら、もちろん勢いも大事ですが、お互いの家族の意見も聞いたりしながら慎重に決断しますよね。婚活は、合コンに行ったり、マッチングアプリや結婚相談所に登録して情報収集したり。いろんな人に会うことで自分の理想がはっきりしたり、相性のいいタイプが分かったりしますよね。
「転職活動」も同じで、求人を見たり、自己分析をくり返す中で、自分自身が目指したい方向が定まり、自分のスキルがどのような企業に必要とされているのか気づけたりします。転職活動というと、どうしても書類応募をして面接に行って、というイメージが先行しますが、今までのキャリアの棚卸しをし、自己分析や情報収集に取り組むことも立派な転職活動。この記事に目を通して情報を集めていることもそうです。
ママリブラにご登録いただく方の中には、自分の強みを見つけるために、キャリアの棚卸しのワークショップや、自分のスキルの腕試しとして育休中インターンに参加される方も多くいらっしゃいます。これも広く言えば転職活動かもしれませんね。
私自身の話で恐縮ですが、前職の人材サービス会社からmogに転職する際、実はまったく転職活動はしていなくて。前職中に社内副業制度というものに参加して、現mog社長の稲田が立ち上げた事業に半年ほど社内副業としてかかわり、そこからmogの起業にジョインする決断をしました。所属会社の副業規定などで難しい方もいらっしゃるかもしれませんが、いきなり転職を考えるのではなく、自分のやりたいことにまずは副業やインターンなどでかかわってから転職するという選択もあるので、「転職活動」を広くとらえて、今できることからスタートすることをおすすめします。
【4】ワーママ転職ならではの、転職成功のコツや活動の進め方とは?
希望の就業時間の伝え方がポイント。一緒にはたらく人たちの様子も確認して
・応募時のポイント:希望の就業時間の伝え方に要注意
ワーママの場合、保育園などのお迎えのためにフルタイムや定時までの就業が難しいことは多いと思います。ここについては、条件として提示するだけではなく、仕事への意欲と合わせて伝えることをおすすめします。
たとえば「出社の場合は16時までしか勤務できないが、テレワークの場合は18時まではたらける」「フレックス制度が活用できれば、対応が必要な時は保育園に迎えに行った後、家事・育児の隙間時間を使って対応できる」「毎日の残業は難しいけど、事前に分かっていれば調整できる」など、はたらく意思を伝えましょう。
また、「いざという時は、夫や、近くに住む両親のサポートがある」「事前申請しておけば、保育園の延長保育が利用できる」、また病児保育やシッターサービスの確保など、周りのサポート体制についても言及があれば、企業側は安心材料になります。無理をする必要はありませんが、希望条件と合わせて意欲を伝えることを意識してください。
・面接時のポイント:職場のビジネスタイムを確認
まずは、一緒にはたらく人たちが主に稼働しているビジネスタイムを確認しましょう。以前、キャリアカウンセリングをしたママさんは、「社内の重要な会議が19時からで、時短勤務の私は参加できず、自分の知らない場所で重要なことが決まっていくことが本当につらかった」と話していました。
転職先のママ社員のはたらき方はもちろん、ほかのメンバーがどんなはたらき方をしているかも大事なポイント。面接時に確認するほか、ママリブラのような転職エージェントに話を聞いたり、面接官以外の社員に会わせてもらう機会をつくったりして、できる限り具体的な情報を収集してください。
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【5】やりたいことはあるが、譲れない条件も。どうやって転職先を選べばいい?
やりたいことをかなえる手段は、転職だけではありません
やりたいことが見つからないという人も多い中、明確にやりたいことがあるというのはとてもすてきなことですね。一方で、勤務場所や時間、給与など譲れないものとやりたいことを天秤にかけた時、「好条件の今の職場を捨ててまで、やりたいことのできる会社に転職すべきなのか」と悩んでしまうのは、ママだからこそかもしれません。
ただ、重要なのは「やりたいことを実現する手段は転職だけではない」ということ。転職は、あくまで手段の1つであり、目的ではありません。まずは、自分のやりたいことについて「なぜやりたいと思っているのか」考えを深めてみましょう。
「なんとなくおもしろそうだから」というレベルであれば、勤務場所や時間など譲れない条件が今の職場で満たされている場合、現職に残ったほうがいいというケースもあります。私は転職をサポートする立場ではありますが、キャリアカウンセリングでも「それは現職ではできないことなのか」「転職しないとできないことなのか」、そういった点もお伝えしています。最近は副業やボランティア活動など、転職しなくてもその会社や事業にかかわれる機会も増えていますので、「何が何でも転職」と思うのではなく、まずはそういった活動を通して自分に合った仕事なのか試す方法もあります。そのうえで、ほかの条件と比較してもやりたいことだと思えるのであれば、やりたいことを第1優先に転職先を探してみましょう。
【6】育休中に転職したいけど…。転職のベストタイミングっていつ?
育休明けの転職は慎重に。仕事と育児の両立に慣れてから本格始動を
育休明けのタイミングで転職を考えるママも多いですが、あまりおすすめはしません。育休明けしばらくの間はお子さんの急な発熱などで呼び出されることが多々あります。そのたびに会社を早退したり休んだりしなければなりませんが、転職後すぐこのような状態になると、周囲との信頼関係が構築しにくくなることも。
「信頼貯金」という言葉がありますが、妊娠前から勤めている会社であれば、突発的な休みや、ほかのメンバーに代理対応の依頼をしても、それまで積み重ねてきた信頼があるためスムーズです。ところが転職先の場合は、信頼関係をつくっていくところからなので、頻繁に早退やお休みが発生すると、お互いにやりにくさが出てくることもあります。
「特に1人目のお子さんの育休明けは、ワーママ1年生のスタートでもあり、ママ自身も仕事・家事・育児のハイブリッドな役割をこなす生活に慣れるのに精いっぱい。あまり焦ることなく、まずは生活のスタイルやリズムを整えてから転職活動を始めてもいいのではないでしょうか。
もし初めての育休明けの転職を考えている場合は、勤務可能な時間について企業にしっかり伝えたり、お子さんが急に発熱したような場合にどう対応するかなど、きちんとシミュレーションしましょう。決して無理せず、できる部分とできない部分を明確にしたうえで、転職先選びをすることをおすすめします。
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