教えて!女性のキャリア ワーキングママ転職支援のプロが語る 女性のキャリアと働き方

「アピールできる専門スキルがない」「理想の働き方とやりがい、両方手に入れたいというのは欲張り?」「ハードワークな職種なので、育児と両立できるイメージがない」―。結婚や出産といったライフイベントの影響を受けやすい女性は、キャリアや仕事、働き方について悩みが尽きません。そんな女性・ワーママの不安を解消すべく、ママリブラ事業責任者の鈴木伸太朗がお答えします。
目次
【1】さまざまな業界の転職をくり返し、これといったキャリアやスキルがありません
- 専門知識や特殊な技術などの「テクニカルスキル」だけがスキルではない
- 「ポータブルスキル」「ヒューマンスキル」にも注目を
- 理想の働き方ができるかは面接で要チェック
- やりがいを感じられる仕事に転職ができるかどうかは自分次第
【3】キャリアを捨てたくない。妊娠前と同じ職種で活躍し続けるには?
- 一般的にハードワークといわれる職種でも企業の取り組み方次第でワーママが活躍できる
- あきらめる前に理想の働き方を見つけよう
【4】しばらくは時短勤務の予定。年収ダウンや長期的キャリアが不安…
- まず時短勤務・フルタイムそれぞれの収入を整理
- 収入が大事な条件なら、柔軟な働き方ができる転職の検討も
- 転職活動でも、勤務時間と収入を要確認
【5】育児との両立など、女性のキャリアを応援してくれる業界や企業は?
- 女性が活躍している会社の特徴は2つ
- 制度の整っている大企業か柔軟な働き方をしているスタートアップ
【1】さまざまな業界の転職をくり返し、これといったキャリアやスキルがありません
これまでの幅広い経験で磨かれた「ポータブルスキル」「ヒューマンスキル」にも注目を
「スキル」「強み」というキーワードが出てくると、「自分には何もない」と謙遜される女性はとても多いのですが、資格や専門性の高い職務経験だけがスキルではありません。よく「スキル」とひとまとめにされがちですが、スキルは実は3つに分けることができます。
- 専門知識や特殊な技術などの「テクニカルスキル」
- 持ち運び可能なスキルという意味の「ポータブルスキル」
- 人柄やスタンスを表す「ヒューマンスキル」
の3つです。
たとえば「営業経験がある」というのを掘り下げていくと、「人と話すことが好き」「相手のニーズをくみ取ることができる」などと細分化できますが、こういった職種や業界にかかわらず共通して重要なスキルのことをポータブルスキルと呼びます。またヒューマンスキルは、「コミュニケーション力」「交渉力」「ヒアリング力」「向上心」など、その人が本来持っている人柄や仕事に対するスタンスを表します。
転職活動においてはテクニカルスキルだけをアピールしなければと思いがちですが、実際の面接ではそういった専門的なスキル以上に、その人なりの「仕事に対する考え方」や「仕事の進め方の特徴」が見られていることも多くあります。テクニカルスキル以外にも、自分が得意なことは何か、どのような仕事の進め方をしてきたか、どんなふうに仕事に向き合ってきたかを整理して、ポータブルスキル、ヒューマンスキルについて自己分析を進めましょう。
【2】理想の働き方とやりがい、両方手に入れたい!
理想の働き方ができるかは面接で要チェック。自分はどんな仕事にやりがいを感じるのか、正しく伝えられるように
理想の働き方をかなえられるかどうかは、一緒に働く人たちのビジネスタイムや、女性社員はもちろん、ほかのメンバーの働き方を確認するのが大事なポイント。面接時や転職エージェントに話を聞いて具体的に情報収集してください。
一方、やりがいを感じられる仕事に転職ができるかどうかは、まさに自分次第です。仕事のやりがいというのは本来、会社側から与え続けられるものではなく、自分自身で感じ取るもの。やりがいのある仕事がしたいのであれば、自分がどのような仕事にやりがいや喜びを感じるのかを正しく知っておかなければなりません。
また転職マーケットは、需要と供給の合致するところで採用が成り立っています。世の中にどのような企業があるのか、どのようなスキルが必要とされているのかといった「需要」を知るということも大事ですが、それと同時に「供給」=自分は何が得意で、どのようなことにやりがいを感じる人間なのかを企業に正しく伝えられることが、やりがいのある仕事を手に入れ、日々やりがいを感じながら働き続けるために必要なことです。
【3】キャリアを捨てたくない。妊娠前と同じ職種で活躍し続けるには?
一般的にハードワークといわれる職種でも、企業の工夫次第でワーママが活躍できる
時間的制約のある状態で活躍できる仕事かどうか考える際に「この職種はハードだから、ママにはできない」と、職種にひもづけて考えがちですよね。でも実は、今の会社がそういった働き方を推奨しているだけで、企業の取り組み方次第で、同じ職種でワーママが活躍しているケースはあります。
たとえばITコンサルティング企業の株式会社ライフ&ワークス。ITコンサルティング業界というと、長時間労働や緊急時の顧客対応などハードな職場というイメージも強く、ワーキングママの活躍の場という印象はないかもしれません。しかしそんな課題に立ち向かうべく設立されたのがライフ&ワークス。働き方改革を実践しており、結婚や出産を機にITコンサルタントを離職した方が、育児と両立させながら改めてITコンサルタントとして働き、活躍しています。
本当に自分が好きな仕事であれば、「ママだから」とあきらめるのではなく、ご自身の状況にあった働き方を提示してくれる企業を探してみましょう。
【4】しばらくは時短勤務の予定。年収ダウンや長期的キャリアが不安…
時短勤務・フルタイムそれぞれの収入を整理して、理想の働き方を考えよう
時短勤務によって年収が下がってしまうことに対して、「今は子育てで忙しいから仕方ない」と思考停止になってしまう方も多いようですが、時短勤務を選択することでどのくらい収入が減るのか、フルタイムに戻した場合どのくらいの収入が得られるのかを整理したうえで、どのような働き方が理想なのか考えてみましょう。
時短勤務の場合、フルタイムの収入からの減算になるケースが多いので、もし収入が大事な条件であるのであれば、テレワークやフレックス制度など柔軟な働き方ができる転職先を探して、できる限り勤務時間を長く確保できるようにするのも収入を上げる方法の1つです。転職活動で希望年収を考える際にも、「現年収がフルタイムでの金額なのか、もしくは時短勤務での金額なのか」「転職先の年収はフルタイムでの提示金額なのか、時短での提示金額なのか」をきちんと整理しましょう。時短勤務希望であってもフルタイムでの年収を確認しておくことで、将来的に勤務時間を増やしたときに収入がどのくらい上がるのかの目安になります。
また、年収にとらわれすぎるのではなく、5年くらい先のキャリアをイメージし、逆算で現在どの程度仕事をしているといいか考えるのもおすすめです。時短勤務はあくまで子どもが小さい時などに取る“応急処置”的な働き方。子どもの成長は親が考えるよりずっと早く、3歳くらいまでに多くのお子さんはぐっと手がかからなくなることが多いです。そうなった時に急に仕事でアクセルを踏もうとしても難しいことも。ですから、長期的キャリアを考えるなら、「しばらく時短を続ける」と決めてしまうのではなく、時短を続けるべきか自分の中で確認しながらその都度判断していくのがいいかもしれません。
▶「時短かフルタイムかを判断する3つのチェックポイント」を見る
【5】育児との両立など、女性のキャリアを応援してくれる業界や企業は?
制度の整った大企業か働き方が柔軟なスタートアップがおすすめ
弊社もサービスをスタートして1年半ほど経ちますが、お取引いただいている企業は100社ほどとなりました。2019年8月のサービススタート時は、リモートワークも浸透しておらず、ワーママ採用の促進は啓蒙活動に近いような感じでした。ただ、お取引いただいている企業は、弊社が掲げるビジョンや実現したい社会に共感いただいた企業が多く、働き方の柔軟性は高く、ワーママが活躍できる会社が多いと思います。
取引企業の特徴としては2つに分類できるかと思っています。まず1つは、ダイバーシティ推進に力を入れている大手企業。こちらは時短制度がしっかりと整っていたり、女性管理職の比率を上げていきたいと考えていたりするため、育児との両立がしやすいと思います。
もう1つは、制度がカチッと整っていない分、柔軟性が非常に高いスタートアップ。弊社もたくさんのスタートアップ企業と取引していますが、特徴として平均年齢が30代半ばくらいで、みなさん保育園に通うお子さんをお持ちの方が多いです。ワーママだけでなく、ワーパパも多いのが特徴です。
特定の業界や企業というわけではなく、制度としてしっかりしているかという点と、一緒に働く人たちがどのような方なのかという点が大事です。
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