「お母さんの仕事って、世の中の役に立っているんだ」と思ってもらいたい。 社会課題解決に人生をかけることを決めた

『Challenger』〜私の背中を押したひと言〜
ママでありながら、自分のやりたいこと・チャレンジのために1歩を踏み出した女性たちのストーリーを紹介します。チャレンジ決断の裏には、背中を押された「ひと言」がありました。「ママなんだから、自分のやりたいことはあきらめなきゃ…」とモヤモヤを抱えるアナタの背中を押すヒントが隠されているかもしれません。
VOL.21
「お母さんの仕事って、世の中の役に立っているんだ」と思ってもらいたい。
社会課題解決に人生をかけることを決めた
三浦美樹さん(40歳)
一般社団法人日本承継寄付協会 代表理事
お子さま:10歳女の子
★これまでのチャレンジ
人生の折り返し地点を前に、スタートラインに立てるよう、
遺贈寄付をしたい人と寄付先をつなげる一般社団法人を設立
大学時代の4年間、入院していて就職活動ができませんでした。かろうじて卒業した後、アルバイトをしながら司法書士の勉強をして、合格後、司法書士事務所に勤めました。子どもが生まれて育休を取り、1歳になるころに相続専門の司法書士事務所を立ち上げました。いつかは独立しようと思っていましたが、これは自分にとっていち大決心。まだ小さい子どもを育てながらの独立には不安もありましたが、子どもとの時間は努力次第で確保できると思って決めました。
そして一昨年の夏、40歳という人生の折り返し地点を1年後に控えて今後の人生を考えた時に、社会に恩返しをしていきたい、と考えるようになりました。ずっと相続の仕事をしてきたので、寄付をしたいけど、どこにすればいいのか分からなくて悩んでいる人がいることや、疎遠な相続人にあげたくないけど、どうすればいいのか分からない人が多くいることは知っていました。そこで、寄付者のニーズにこたえながら、社会に必要とされていることにお金が回ればと思い立ち、寄付の勉強を始め、人生をかけてこれをやろうと決めました。40歳になった時にスタートラインに立てるよう、39歳の誕生日に、遺贈寄付をしたい人と寄付先をつなげることを目的として、一般社団法人日本承継寄付協会を設立しました。法人を設立したのは、思い切って団体を立ち上げるぐらいのことをやらないと、逃げ出してしまうと思ったから。自分にプレッシャーをかけたんです。
★1歩を踏み出す前の悩み
もっと子どもと一緒にいたいという葛藤があったからこそ、
「お母さんの仕事ってすてきだな」と思ってもらいたい
子どもが1歳のころに同時に独立したので、「もっと子どもと一緒にいたいのに、仕事がある」という葛藤が2~3年続きました。だからこそ、いつか娘には「お母さんの仕事ってすてきだな、世の中の役に立っているな」と思ってもらいたい、という気持ちが強くて。そのために、社会課題解決型の仕事をずっとやりたいと思っていました。
独立してからは相続専門でやってきました。その知見を活かして、社会貢献にお金を使いたいという方と、社会課題解決に携わるNPOなどの団体をつなげる、メッセンジャー役としてお役に立ちたいと思いました。私1人の力でできることは限られているので、同じ志を持つメッセンジャーを日本中に増やしていくことが私の役割だと考えています。
★1歩を踏み出すきっかけをくれた「ひと言」と、運命的な体験
上司や尊敬する人からの言葉が、自分のタイミングと合った。
1人で行った高野山で湧いてきた、生きていることに対する感謝の気持ち
いろんな人がいろんなタイミングで言ってくれたことが積み重なって、今につながっています。最初に勤めた司法書士事務所の所長が、「三浦さんにはこれが合っていると思う」と言って、社会課題解決型ビジネスの本を渡してくれたことがありました。また、尊敬する経営者にも、ドネーションについて教えてもらったことも心に残っています。いずれも、言葉をかけてもらったタイミングが、自分のタイミングと合ったんだと思います。
もう1つ、まるで雷に打たれたような、大きなきっかけになった体験があります。一昨年の7月、娘が合宿に行っていて不在で。1人きりになることが滅多にないので、どうしようかと考え、高野山の宿坊に泊まりに行ったんです。向かっている時は、旅行気分でルンルンだったのですが、いざ着いたら、自分が今まで生きてきたことに対する感謝の気持ちが湧いてきて。それまでの人生があまりに大変だったので、何事もなく、仕事があって子どもがいるだけでありがたいなと。新大阪駅から帰りの新幹線に乗った瞬間、「やらなきゃ!」と思い、その場で寄付に関する研修を申し込みまくりました。それ以降、寝ても覚めても遺贈寄付に関する調査、普及活動、打ち合わせを今日までずっと続けています。
★踏み出してみて思うこと、どんなワーママでいたいか
今まで知らなかった世界を知ることができた。
仕事って楽しいんだよということを娘に見せていきたい
1歩踏み出したことで、自分の思いが形になったし、たくさんのご縁をいただけました。何よりもよかったと思うのは、お金と交換で対価を得るビジネスとは違う世界を知れたことです。これまでは、たとえば10万円払ったら10万円分の対価を提供してもらえる、という世界でやってきましたが、自分が利益を得ようとしないで、使命に向かって尽くせば、一緒に動いてもらえたり、お金を払ってもお願いできないような人たちが協力してくれる。普通だったら紹介してもらえないような人が、話を聞いてくれたり、アドバイスをくれたり。「お金ではない世界」を体感しています。その分、大変なこともありますが、これは踏み出さなければ分からなかった、何よりの経験だと思います。
また、子どもを産んだころは育児関係なく仕事ができる人をうらやましく思っていましたが、子どもとの時間はかけがえのない時間で、今では1度きりの人生、子育てしながら仕事もできるのはなんてぜいたくなんだろうと思っています。子どもを育てている期間は短く、娘はあと10年経ったら20歳になってしまいます。子どもと一緒の時間も目いっぱい楽しんでいきたいです。
娘は私が笑って仕事をしている姿を見て、「ママって本当に楽しそうだよね」と言ってくれます。仕事をしていれば、泣きたくなるようなこともたくさんありますが、それも含めて楽しいんだよというのを見せていきたいです。娘は早く大人になりたいと言っていて、仕事をすることを前向きにとらえてくれています。
★これから1歩踏み出そうとしているママたちへ
起きることにはすべて意味がある。
やってみることは決してマイナスにはならない。何もやらなければ成長もしない
私の座右の銘は、「必然必要」です。起きることにはすべて意味がある。さまざまなチャンスやお誘い、試練も、「あれがあったから今がある」ということは、これまでの人生で何回かあります。やってみることは決してマイナスにはならない。逆に、何もやらなければ成長もしない。そんなふうに感じています。
私は40歳を迎えるにあたり、仕事を通じて何がしたいのかを考え、目の前の活動が未来に貢献できると実感できる仕事を選びました。このたび、一般社団法人の活動に、より注力するため、10年間やってきた司法書士事務所の規模を一度縮小するという大きな決断もしました。間違っているかもしれないけど、今自分が生きていくうえで何が大事か考えた結果です。収入は減っても、お金では買えない、得られるものがあると思っています。
娘にとっても、財産を残してあげるよりも、仲間づくりなどの生き方を教えるほうが彼女にとって幸せではないかと。生活に最低限必要な収入は、仕事をしていれば確保できるという自信がついたらからこそ、社会貢献に舵を切ろうと思うことができました。ビジネスをしようと思ったらまた戻ればいいだけなので、2年くらいはそうではない生活をしてみたい。やらない後悔より、やって後悔。ちょっとやってみてからやめることはできる。やり直しは何回でもできると思っています。
「ママなんだから、自分のやりたいことはあきらめなきゃいけないのかな…」
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